Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

壁コンセント・ベース POBK-1レビュー

長らく我が家の電源環境は奇妙な形態をとっていた。壁コンセントはUL規格のホスピタルグレード、HUBBELLの8300Rに交換し、そのコンセントカバーにj1 projectのJ1CK15ULを取り付けていた。そこまでしておきながら、コンセント周りのもはや定番になったコンセント・ベースは省略していたのだ。決して無関心だったわけではなく、ホームセンターのアガチス材で自作のコンセント・ベースを使ってみたこともあった。しかしながら材の強度不足等様々な悪影響が表れ、使用をやめてしまった。自作のためには強度と粘りがある木材でないとダメだと結論付けた。それはとりもなおさず加工性の低さを示すものであり、時間と労力に見合うかわからないというのが正直なところだった。下手に弄る位なら手を付けない方がましではないのかと子供のように拗ねていたのだ。

自作といえばコンセント・ベース、正確にはコンセント・ベース・ボードの発案者であるカメラマンの故山本博道氏はタモ材を使用していた。野球のバットに使われるほど硬くて粘りのある材だ。コンセント・ベース・ボードの発表は反響を呼び、すぐさま各アクセサリーメーカーから様々なコンセント・ベースが発売された。j1 projectのPOBK-1はその中では後発で他社より比較的安価で金属的な響きが乗らなそうなイメージが気に入って購入した。もちろん先に手に入れていたコンセントカバーのJ1CK15ULとマッチすることが理由の大多数を占める。

そういうわけで、今回のPOBK-1のレビューはJ1CK15ULを付けた状態でのものとご理解頂きたい。コンセントベースはハイポリマー製でかなり硬さがある。プラスチッキーな鳴きもなく、イメージよりサイズは小さいが安定感がある。コンセント・ベースと壁コンセントをネジで共締めしないことを山本氏は重要な点として解説していらしたが、山本氏の提唱通りにこのPOBK-1はきっちりとベース部の取り付けと、コンセントの取り付けネジが分かれており、壁からの振動を抑制する仕組みになっている。いつものディスクを取り出して聴いてみた。低域の量感はほぼそのままにソリッドで力感あふれる表現に変貌し、被っていたと思われる低域の余分な響きが削られて、ステージの見通しが良くなった。ジャズボーカルものでたとえると、ボーカルと同じ列にいたベースがそのまま一歩下がって、最後列にいるドラムともきっちり棲み分けしている。ドラムのブラシの音数が増え、細かくなったような感じがする一方、ボーカルを立てるように、これもやはり半歩下がってステージイメージを立体的に表現するようになった。ここが一番の驚きだった。

今回はじぶんでもびっくりするくらい、システムにはまった。それだけ我が家の壁がヤワなのを痛感している。

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