Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

THIEL CS2.3導入記その2 スパイクベース(受け)を物色

THIEL CS2.3を導入するにあたって必要なものが一つありました。それがスパイクベース(受け)です。初めはスパイクをはかせないで直置きしていたのですが、帯域バランスが悪く、ぼわついた低域が気になっていました。また、低域の振動が階下へ響くものですから付属のスパイクを取り付けることにしました。すると帯域バランスが整って非常に好みの音が出てきて驚きました。いやぁスパイクが付属する出物を待っていてよかったなと強く感じます。しかしスパイクだけだといろいろ面倒なのです。
 スピーカーの下は1㎝厚の御影石を五段重ねて敷いているのですが、天辺は面取りしてあるとはいえ、微調整のための移動はスムースにいきません。また、スパイクは三点支持なので安定感はありますが地震の時に心配だなと感じました。ある種の緩衝材を噛ませた方が安心できると考えました。そして一番重要な音の問題です。もちろん好みの音なのですが、ヴァイオリン等の弦の音がやや荒くきつく聴こえる盤が結構あったのです。

まずは情報収集ということでネットの先達はどんなスパイクベースを使用しているのかを探してみましたが、ろくに情報が出てきません。ネットが駄目なら足を使いますとばかりに、スパイク受けになりそうなものをホームセンターで見繕ってきました。それがアガチスという木材の飾り台です。アガチスは密度が低く柔らかいので弦の音の問題には効きそうです。CS2.3を慎重に傾けながらアガチスを噛ましていきます。この辺りのセッティングのしやすさが、重量級と違って手軽でいいところですね。すぐに音出ししてみました。うん、これは何というか柔らかくて聴き心地がいいと思った反面、全体の解像感やエッジのなさが気になります。この音は魅力的だけれども、THIELでなくてもいいような……。

やはりオーディオ専用アクセサリーに手を出さねばなるまいか、と心を決めてオーディオショップのサイトを開きます。うん、やはり高いですね。しかしこの程度のことは織り込み済みです。この世界に入ってきたばかりの新人ではないので驚きはしません。しかし、中央を少しざぐった円柱の物体ごときもう少し低コストで作れないのかと悲嘆にくれないこともないという。いや、わかるんですよ。趣味にしている人口が少ないんですから、大量生産というわけにはいかないですし、人件費やら広告費かけていくとどうしても高額になるという、ごく当たり前のことなんですけどね。僕は心の底から思いましたよ、みんなもっとオーディオをやればいいのにと。

話が逸れました。アガチスで手に入れた柔らかさがありつつ全体のエッジや解像感の低下を招かないものはないか。ポイントはそこでした。そうすると硬い金属だとどうしても硬い響きが乗りやすい。木材やそれに近い強度があり、なるべく色付けの少ないものということでj1プロジェクトのB35HBとB35DLCが候補に挙がりました。エヌモードの金属と木のハイブリッドもいいなと思ったのですが、種類が多すぎるのと金属にしろ木にしろ響きが乗るのは排除したいと考えてj1プロジェクトに絞りました。お求め易い方のB35HBはステンレスの響きが乗るかもしれないと急に臆病風に吹かれ始めた僕は、結局B35DLCを購入することにしました。B35DLCは定価が下がりHBとの差額がさほどでもないと感じたためでもあります。「特に高域の音の滑らかさは目を見はるものがあります」という売り文句に心を奪われたのも事実です。とにかく迷ったら高い方を買えという信条にすがりもし、B35DLCを購入しました。

早速設置して音出しを開始。設置はアガチスの時より数段やりやすく、スパイクがするっと中央に吸い込まれていく感じでした。その音ですが、弦楽器の荒さきつさが取れ、かといって鈍らずのちょうどいい塩梅に収まりました。中音域や低域の解像感も落ちることなく帯域バランスも良好です。低域の力感がやや増したように感じます。ほとんど副作用を感じさせない音作りで好印象を持ちました。色付けや癖を取り除きたいときにこのスパイクベースは威力を発揮すると思います。心なしかサウンドステージも広がったような気がしています。今回はいいことづくしでした。悩んだ甲斐があるというものです。これからさらにセッティングを追いこんでいこうと思います。