Bedroom Audio Style

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オーディオマニアの定番優秀録音女性ヴォーカル・マラソン・レビューvol.1 Holly Cole Trio / Don't smoke in bed

オーディオマニアのレファレンスソフトや、メーカー、ショップの試聴会のデモでよく使われるのが女性ヴォーカルというジャンル。たいていはJAZZ系の流れを汲むものが多いのだが、純然たるPOPSもなくはない。そういう、マニアならもっている確率の高い女性ヴォーカルを意識的に集めて聴いていたので、それらを簡単にレビューしてみようと思う。

第一回はカナダのジャズシンガー、ホリー・コールを取り上げる。僕が入手したのはEU盤の“CDP7811982”で米盤のほうが音質的に良いという声もあるようでちょっと残念だが、十分に高音質のCDだと感じている。機会があれば米盤も聴いてみたい。

Holly Cole Trioはヴォーカル、ピアノ、ベースで構成され曲によってゲストが参加するというスタイル。2曲目のDon't Let the Teardrops Rust Your Shining Heartではスチールギターが参加している。ホリー・コールの声質はパワフルでやや低め。ハスキーというほどでもないが、時々かすれたような歌い回しがセクシーだ。全編で力強いベースが聞ける。ピアノはやや控えめでよくヴォーカルを盛り立てる素晴らしいトリオ。1曲目のI Can See Clearly Nowでは熱唱度の高いパフォーマンスを聞かせる。オーディオチェック用に最適なトラックだ。

アルバムを通してクリアな音質。ヴォーカルには曲によってリヴァーブが効果的にかかっている。ピアノは透き通るように美しい。アタック感よりも響き重視の録音だがキリリと立っている。力強いベースとの相性も抜群だ。ヴォーカルの位置はやや奥でベースと同じくらいの距離感。その右手やや後ろにピアノとくる。夜のバーやクラヴの雰囲気を持ちつつも清廉な空気を漂わせる、印象的な一枚。

Don't Smoke in Bed
Don't Smoke in Bed
posted with amazlet at 12.07.07
Holly Cole
Blue Note Records (1993-09-28)
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