Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

生存報告とゼンハイザーHD600の導入

 お久しぶりです。しばらく部屋を留守にしてました。

 

 落ち込んだりもしたけれど私は元気です。いや、別に落ち込んでもいないんですけどね。オーディオにごく近しい沼に落ち込んで、1年半近くブログを放置してしまいました。その間、オーディオ的なことはほとんどしませんでした。もちろん音楽は聴いていましたし、システムもそのままです。CDもそんなに買っていないんです。

 

 では何をしていたかというとDTMです。そっちの活動にかまけてオーディオと格闘するということはしてなかったんですが、最近DTMのモニター用にゼンハイザーのHD600を購入して、8時間ほど鳴らしたのでそのレビューなどしてみようという気になったのです。そのうちDTMプラグインの話などしだすかもしれません。

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 さて、HD600ということなんですけれども、歴戦のマニアの中にはよくご存じの方もいるかもしれませんね。私はHD650がフラッグシップになってからヘッドホンが気になりだしたくらいなので、600のことはよく知りませんでしたが、HD650がHD600の傾向を引き継がなかったことで、600を求める声があったようなのは何となく記憶しています。今回、再販売という形で市場に帰ってきたのを歓迎する声もあるようです。といっても再販売開始が数年前の話なのですが。まあつまり多数の上位機種が発売されても光るものがHD600にはあり、存在価値を保っているということなんです。

 

 まだ8時間足らずですが、HD600の傾向は掴めましたし、そんなに寝起きの悪い機種でもなさそうなので、音についての話をしたいと思います。まず初めに環境のお話なんですが、私のヘッドホン環境はPCに溜めた無圧縮FLACとわずかなハイレゾ音源をfoobar2000→友人の自作USBノイズフィルター&電源→Focusrite Scarlett2i4(オーディオインターフェース)のヘッドホン出力、もしくはMACKIE HM-4経由でHD600という底辺DTMer仕様なので、ハイエンドヘッドホン環境を構築されている方にはあまり当てにならないインプレッションになるかもしれません。そのあたりお含みおきください。

 で、HD600の音ですが簡潔に言えばモニター向けのバランスになっていると言えます。モニターの用途も色々ですが、これは打ち込みの時の音色確認やミックス、マスタリングに向いてるモニターと感じました。つまり解像感が高くトーンに色付けが少なく、帯域バランスはフラットでサウンドステージが広いということです。特に色付けの少なさは、素っ気ないくらい自然です。また帯域バランスも非常に自然で強調感のないバランスです。そのあたりは特筆すべき項目で、これがモニターに向いているという根拠になります。解像感も高く感じます。装着感が良いので長時間の使用にも疲れにくいという長所もあります。短所はケーブルの作りの脆そうなところでしょうか。少し細いです。着脱式ですので交換はできるのですが、頻繁に接触不良や断線するとなると出費がかさむので萎えますね。

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 ではリスニング用途としてどうなのと思う方もいるかと思います。そういう方にはまずこれ一本持っておけばなんでも聴けますと言いたいです。ただし条件があり、家の中でそれなりに出力をとれる機器に繋ぐこと。まず開放型ですので盛大に音漏れします。さらにHD600はインピーダンスが高く、感度が97dBと音量が取りづらいのです。私はそんなに爆音で聴く方ではないのですが、手持ちのスマホでは推奨最大音量でボリュームは取れてるかなという程度でした。DAPではどうかというと愛用のAK100で音量60まで上げないといけませんが、これなら聴けるという感じでした。

 リスニング用途での強みは何でもそれなりに楽しく聴けることです。何かに特化したりということはありません。どちらかといえばエレクトロニックな楽曲よりもアコースティックな楽曲のほうが得意かもしれませんが、さほど差が出るものでもありません。そして、この音を標準にしておけばまず間違いがないと私は思います。HD600と比べて高域が強いとか弱いとかそういう判断をしていいと思います。一本持っておけば迷わない物差しのようなヘッドホンです

 

 私はこれまでAKG K240Studio(オーストリア製の古いモデル)→beyerdynamic DT990PROを使用してきました。少なからずクセのある製品で、それが気に入ってもいたのですが、DTMをやるにあたり、使いにくいなあと感じるようになってしまいました。やはり適材適所で使うのが良いですね。人も物もそのほうが幸せになれる気がします。

 

ゼンハイザー ヘッドホン オープン型 HD 600【国内正規品】

ゼンハイザー ヘッドホン オープン型 HD 600【国内正規品】

  • 発売日: 2020/05/15
  • メディア: エレクトロニクス
 

 

 

 

 

はてなダイアリーからはてなブログへお引越ししました

お引越ししたついでにブログタイトルも変更し、ベッドルームについての色々な事柄を扱っていこうかなと思います。オーディオがメインであることは勿論ですが、もう少し範囲を広げて、窮屈にならないようにしていきたいですね(主に自分が)。

 

ここのブログと連動する形でYouTubeにも動画をUPしていますので、ご興味がありましたら、ご覧頂けると幸いです。

 


「殺風景な部屋」“すのこ”が“調音パネル”代わりになるか実験してみた

オーディオマニアのための極私的名盤vol.4 Adam Schoenberg: American Symphony(アダム・ショーンバーグ:アメリカンシンフォニー)

発売から2年近くが経とうとしているのですが、やっぱりこれは紹介しておかないとむず痒いのです。
極私的名盤にしておくのがもったいないので、もっと広まって沢山の方に楽しんで欲しいなあという気持ちから記事にします。


アダム・ショーンバーグは現代アメリカの若手作曲家。1980年生まれ。
「ファインディング・ロスコ」「アメリカン・シンフォニー」「ピクチャー・スタディーズ」が収録されています。
アメリカの抽象画家マーク・ロスコの作品にインスピレーションを受けたファインディング・ロスコは、各4楽章が色で表されています。
アメリカン・シンフォニーは2008年の大統領選挙に触発されて作られた曲で、時代の変容と明るい未来に対する希望がこめられているとか。
アメリカの著名作曲家であるコープランド交響曲第3番と共通したものも感じ取れます。とにかくアメリカ!なイメージです。
ピクチャー・スタディーズはショーンバーグ版「展覧会の絵」。
カンザス・シティ交響楽団とネルソン・アトキンス美術館の委嘱作品として書かれたものだそうです。

現代の作家というと、難解で口ずさめるメロディーがないんでしょ?と思われる方もいるかもしれません。
僕もそう思いがちな人間の一人ですが、アダム・ショーンバーグは違います。
耳当たりのよい美しいメロディがあり、時に荒ぶる場面があり、飽きさせません。

録音の方に話を移しますが、とにかくクリアで、怒号の様な金管も切り刻むような弦楽器も全てがクリア。
透明感あふれるステージがステレオシステムから軽々と表出されます。
それもそのはず、最近はサウンドミラーが録音することの多いReference Recordingsの中でも、
プロフェッサー、キース・O・ジョンソンによる録音です。サウンドミラーがグラミーを取っても、
私はキース・O・ジョンソンを押していきます。
とにかくスピーカーに音像がへばりつくなんてことがないわけです。
滑らかで透明で迫力があり、もうこれ以上何を求めればよいのかという出来だと個人的には思っています。

Schoenberg: American Symphony
Schoenberg: American Symphony
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Schoenberg Kansas City Symphony Stern
Reference Recordings (2017-01-20)
売り上げランキング: 55,331

中華インシュレーターはオーディオの福音となるか「中国メーカー製インシュレーターを試してみた」

みなさん、足元に拘ってますか?よく足元を見るとか言いますよね。
ファッションも足元から。そしてオーディオの足元も、疎かには出来ないのです。


最近アマゾンで、インシュレーターと入れて検索するとよく引っかかってくるのが、中華メーカーらしきインシュレーター。
見た目はなかなかだし、スパイクと受け皿がセットの構造。さらに8個入り3000円弱というお値段です。
これは、気に入れば最高のコストパフォーマンスになります。
失敗しても、まあ人によってはこんなものかで笑って許せる値段かもしれません。
ということで突撃してみることにしました。


私が買った商品はすぐ届きました。様々なショップが同じ商品を売りに出してるので、
在庫を日本に持ってないショップや商品は時間がかかることもあるようです……。

意外と小さかったです。
ビニール袋に小分けになって合計8組+ブチルゴムの滑り止めと両面テープが付属しました。
両面テープは要らないですしブチルゴムも使わないのですが、
何かのときに使えるかもという貧乏性な私はとっておいてます。

さて実際に手に取ってみた感想は、この商品に関してはアマゾンのレビューは信用できるかもというもの。
スパイク受けの方にバリがあったりする個体もありましたが、実用上問題なさそうでひと安心です。

早速乗せてみた感想。格好良いじゃないですか……。
黒と金という配色はいかにも中華って感じですが、スピーカーに乗せてしまうと意外と馴染むような気がします。


肝心の音の方なんですが、真鍮のスパイクの音がします。
居間のシステムとデスクトップスピーカーで確認してみました。四点支持で音だし。
メッキは施してあるものの真鍮のみの構成のため、少し明るい響きが乗ります。
そして重要なのは、スピーカーと乗せている台との間に起こる不要な共振が緩和され、主に中低域から低域が締まります。
ボワつきが消えるとでも言いますか不必要な膨らみを取ってくれます。
この効果、この価格帯には少ないものだと思っていました。
例えばオーディオテクニカのAT6099は使用したことがあるのですが、
真鍮の響きを消すためかソルボセインやハネナイトをハイブリッドで使用して低域に厚みを持たせています。
低域の量感不足なスピーカーが、ままあるブックシェルフ型スピーカーの間では、重宝されるかもしれませんが、
我が家のスピーカー群は低域過多だったので逆効果でした。そして友人宅へもらわれることに。
しかしこの中華真鍮インシュレーターは締まる方向なので膨らみやボワつきをしっかりと解消したい方にはうってつけかと思われます。
逆に低域の厚みを増したいという方にはAT6099こそが正解になると思います。
どちらも真鍮をベースにしているのでそう突飛な音はしませんし安心して使えます。
ただ難をいえば明るい響きが気になる方もいらっしゃるかもしれませんね。
お悩みの方は試す価値のあるインシュレーターだと思いました。


オーディオニッチニュースvol.1 ONTOMO MOOKから特別付録にラックスマン製真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キット

ここを見ているあなたの為に、ちょっとニッチだけれど価値の高いニュースを。

タイトル通りONTOMO MOOKからラックスマン真空管ハイブリッドプリメインアンプ・キットを付録にしたムックが出ます。
真空管ハーモナイザーが人気を博したことからか、ついに真空管プリメインアンプが登場。
詳しくはこちらをご覧ください。
https://www.ongakunotomo.co.jp/kagutsu/k.php?id=302

そして予約が始まりました。
過去のオントモ×ラックスマンのコラボといえば、USB-DAC、デジタルパワーアンプが2機種、真空管ハーモナイザー等
どれもが高い人気と支持を集めただけに注目が集まります。
毎回、付録といえども侮れない実力と改造等の楽しさを持つシリーズ。
私もデジタルパワーアンプのLXA-OT3はデスクトップオーディオに使用していますし、
オペアンプの変更で音質が変わる楽しみを知ったりと、勉強にもなりました。
今回は真空管のプリを積んだプリメインアンプです。私も早速予約しました。
12月が楽しみです。


お知らせ

お知らせ、その1

私の住んでいる部屋、7畳だと思っていたら7畳半だったという衝撃の事実がありました。
よって、タイトルもオーディオ寝室7畳半BPに変更になります。



お知らせ、その2

ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、はてなダイアリーが2019年をもって終了します。
そのためお引越しをしなければなりません。サイトのあり方などもあらためるかもしれません。
色々変化があるかもしれませんが、引き続きお付き合いいただければ幸いです。

オーディオマニアのための極私的名盤vol.3 Trussonic-towa kitagawa trio-「Mind Universe」

残暑お見舞い申し上げます。
皆様におかれましては、熱中症対策などしっかりと取って、元気でお過ごしくださいますようお祈り申し上げます。


さて、暑さも厳しい日々が続きますが、山に海もいいですが、家で音楽を聴くなんてどうでしょう。
この夏、オーディオに向き合うのにうってつけのソフトがあるのでご紹介したいと思います。



Trussonic-towa kitagawa trio-「Mind Universe」北川とわ率いるTrussonicの3rdアルバムです。
8月8日に発売されたばかりですが、私はこのアルバムにクラウドファンディングで参加していましたので、
全国発売よりだいぶ早く手にしていました。

どんなアルバムかといいますと、ジャズとプログレをぐつぐつ煮込んだうえで、さらに現代音楽を振りかけてみたといえばイメージがわくでしょうか?わかないですよね・・・・・・。
聴いてみるのが一番手っ取り早いと思います。この3rdアルバムではゲストのVn壷井彰久氏の参加が、サウンド面で分かりやすく変化しているところだと思います。
これまで、あくまでもピアノトリオというフォーマットで音楽的冒険をしてきたTrussonicが、また一歩フィールドを広げたように感じます。

ここに挙げた理由ですが、まず一番にはこのアルバムをきちんと鳴らすのは難しいという点です。
録音が悪いという類のものではなく、むしろ良いのですが、超絶変拍子インタープレイといった要素を含んだ楽曲を、各楽器を上手く鳴らせた上でUniverseを感じる再生ができるかというところに、このアルバムの難しさがあるのではないでしょうか。

具体的には、ピアノとヴァイオリンのトーンの両立の難しさ。さらにベースの低域、ドラムのアタックとスピード感などチェックすべき点が多いです。
またドラマーが楽曲によって変わりますので、その違いを感じ取れるかも課題になりそうですね。
私は暫くこのアルバムをリファレンスにしてオーディオシステムの調整を目論んでいます。

それではまた。

Mind Universe
Mind Universe
posted with amazlet at 18.08.14
北川とわ
MEKATA RECORD (2018-08-08)
売り上げランキング: 15,253