Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

オーディオマニアの定番優秀録音女性ヴォーカル・マラソン・レビューvol.2 Jennifer Warnes / The Hunter

第二回はジェニファー・ウォーンズのハンター。この作品、オーディオマニアならよく知られたアルバムだ。評論家氏がいまだに(失礼)レファレンスにしていることからもその知名度がよくわかる。もっとも、極論を言えば耳に馴染んだものならば、何でもレファレンスになるというのが僕の考え方ではある。ジェニファー・ウォーンズと言われてもピンとこない僕のような世代は、愛と青春の旅立ちのテーマソングをデュエットしてる女性の方という回りくどい認知の仕方が必要かもしれない。年季の入った諸兄ならばこんな説明は不要だろう。

入手した盤は輸入盤の261974。made in the ECとある。1992年作。アルバムには多様な楽曲が盛り込まれているが、比較的アダルトコンテンポラリーの枠の中でもポップな要素が多く詰め込まれている。今回入手した作品群の中では少々異端な存在かもしれない。ジェニファー・ウォーンズの声を聴いていると、アメリカの白人的な土壌に生まれた歌手として代表的な存在なのではないかと思える。初めてこの作品を聴いたとき、ああアメリカの女性ってこんな声だよね、と思ってしまった。フォロワーが沢山生まれるほどの影響力を彼女が持ち続けていたかどうかは僕にはわからないけれども、アメリカの声と勝手に位置付けてしまった。

ストレートな声質なので聞き馴染みがよくポップ色とカントリー色が半々な構成であるため、するすると聴き進められる作品だが、それだけで評論家氏がレファレンスにするはずもなく、きちんとした理由がある。まず全体の録音が良好なこと。クリアーさを基調として、使われている楽器の自然な響きをとらえているのが特色だ。さらにトラック8のWay Down Deepにはすさまじい量感の低音が入っている。アタック感はあまりなく、丸い音色のずんと部屋に広がる様はフロア型などの大きなサイズのウーファーや、サブウーファーを追加したシステムならさぞかし面白いだろうと想像する。この音がどんな楽器でどのように演奏されているのか、僕の拙い耳ではわからなかった。低域再生とヴォーカルのクリアネスチェックが同時にできる。一粒で二度おいしい曲だ。

現代の優秀録音(と思われるもの)とは違った録音の良さがあると感じた一枚だった。

Hunter
Hunter
posted with amazlet at 12.07.08
Jennifer Warnes
Ariola Germany (2000-11-15)
売り上げランキング: 18007