Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

MC昇圧トランスの導入 イシノラボ MASTERS MC-203


秋の夜長にアナログレコードとミルクティーが心の栄養です。皆様いかがお過ごしでしょうか。

この度MCトランスを導入することになりました。僕の感覚ではMCトランスって贅沢だなあという印象を持っていました。アンプにMCカートリッジに対応するフォノイコライザーが搭載されていれば、それでそれなりに聴けてしまうものですし、レコードの再生のみに効力を発揮するわけですから、システム全体の底上げにはならないわけです。部分的な戦力の上積みにそれなりのお金を使うのは後回しということで、MCトランスは僕のシステムにおいて最後の機器になったわけです。

MCトランスを導入するにあたって、当初はENTREのET-100を考えていました。MM、3Ω、20Ω、40Ωの切り替えがあるのが魅力的でした。現在所有しているMCカートリッジはデノンのDL-103とオーディオテクニカのAT-F3Ⅱの残骸のみですが、これからortofon系の低インピーダンスカートリッジも拡充していきたいと考えています。そこでインピーダンス切り替えとMMカートリッジも使用するのでPASS機能が重要だったわけですが、調べてみるとトランス自体は頑丈で問題なくても、中のスポンジや接点が劣化しているケースがあるようで、二の足を踏んでいました。何か他に代わる機種はないかと探していたところ見つけたのが、MC-203でした。

MASTERS MC-203はPASS、HIGH、MID、LOWの4インピーダンスポジションがあり、ENTRE ET-100にあった3系統の入力はないものの、プレーヤーの使い分けをしない僕にとってはうってつけの機能を持っています。今は主にDL-103とトランス側の設定はHIGHポジションで使用していますが、そのインプレッションを残しておこうと思います。

まず一聴してわかるのはS/Nの良さです。アンプ内蔵フォノイコライザーのMCポジションで聴いていた時は良くも悪くも、もわっとした靄のようなものがまとわりついていて、それはそれで柔らかな音の印象を受けていたのですが、トランスを入れてからはそれは歪みだったのだろうと思うようになりました。よりクリアに生々しく鳴ります。かといってCDのような音になるわけでもなく、しなやかなアナログレコードの音がします。帯域バランスはどこかが強調されるという印象は受けません。古い時代の録音も(もちろん再発盤だったりするのですが)雰囲気良く再生されます。DL-103というカートリッジはこんな可能性を秘めていたのだと、あらためてその能力の高さを感じました。一点だけ注意しなければならないと感じたのは、ラインケーブルの引き回しです。電源ケーブル接触したりするとハムノイズが乗る可能性があります。MC-203自体のシールドはしっかりしているようです。なるべくシールドのしっかりしたケーブルを使用し、電源系から離すことが重要だと思われます。マイシステムでの設置はかなり窮屈な感じになりましたが、取り回しを重視した結果です。

アナログレコードの再生が楽しくて仕方ありません。様々なカートリッジを使用してみたくなる誘惑に駆られています。嬉しい悲鳴です。

イシノラボ MASTERS MC-203の詳細はこちらで
http://www.ishinolab.com/modules/doc_merchandise/original/masters/mc-203.html