Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

アルティメットイヤーズUE900を聴く


電車移動のお供に使っていたHA-FXT90に若干の不満があったところに、ロジクールのアウトレットでUE900のセールが始まったという情報をキャッチして、つい勢いで購入してしまいました。と言ってもそこはそれなりのお値段がするものなので、店頭での試聴はしました。その時の印象は、最初に聴いたこともありなんだか普通の音がするイヤホンだなというものだったのですが、他の同価格帯(アウトレット価格)のイヤホンを試聴していくうちに、これはとんでもないレベルの普通さだぞという結論に至り、購入を決意。よくよく考えてみれば、休日以外は電車移動の時間が一番音楽を聴いている状態ですので、ここにお金をかけるという選択も悪いものではないと思い至りました。

そうやって我が家にやってきたUE900ですが、デフォルトでついてきたイヤーチップを耳に装着したところ、すっと耳に馴染み驚きました。僕の耳は小さいので、今まで使ってきた過去のカナル型イヤホンだと大きくて入らないのですが、何の違和感もなく装着できたのはアルティメットイヤーズが初めてでした。シリコンタイプのイヤーチップと低反発ウレタンタイプのイヤーチップが同梱されており、標準のリモコン付きケーブル(青色)とリモコンなし(黒色)が入っています。替えのケーブルが付属してきたのには驚きました。とりあえずリモコン式の青色ケーブルを使用しています。ケーブルとイヤホンとの接続にはMMCXタイプの接続端子が使われており、ケーブルの交換が可能なため、断線による故障に強い他にリケーブル(ケーブルを交換して音色などの違いを楽しむ)することも可能です。

以下一か月ほど使用した印象(レビュー)を書いていきます。

シリコンフォームのイヤーピースで音出しを開始すると、あらためてバランスの良さに驚きます。低域が弱いと言われることもあるのですが、静かなところでは十分にでています。バランスは高域寄りのかまぼこ型とでも言いますか、低域モリモリのイヤホンと比べるとやや出ていない印象を受けるかもしれませんが、イヤチップがフィットすれば素晴らしい質感と締りを持った低域が味わえます。中域はかなり張り出してきて、特にヴォーカルものの近さは特筆します。主役になるヴォーカルとバックの遠近感などがきっちり再現されて、素晴らしいステージ感を得ることができます。これはスピーカーに近い印象です。高域はよく伸びてfレンジの広さを感じますし、強弱のつけ方も優秀です。耳に刺さるということもなく、解像感が高く、シンバル類の再現性も良好です。全体的な音の鳴り方はイヤホンというよりもスピーカーを耳に近くに持ってきたとでもいうような鳴り方をします。遠近感をしっかりと描き、頭内定位というよりも頭の周辺で鳴るようなイメージの方が近いと思います。空間の再現性が高いので、広いステージを持つソースを聴くとびっくりします。その分高域や空間情報が削られた圧縮音源を聴くとがっかりすることもあります。できれば、FLACやALAC以上の音源で聴いた方がストレスが少ないと思います。また、第5世代ipod nanoをAT-PHA31iで普段使いしているのですが、ヘッドホンアンプを通さないと、ややぼわぼわした音の出方をするような印象を受けました。この組み合わせではかなり爽やかな印象を受けます。電車移動時に聴くのがメインのため、遮音性を高く取りたいと考えて、付属でついてくる低反発ウレタンフォームを最近は使用しているのですが、遮音性が上がり、低域の量感がぐっと増します。その分シリコンチップにあった爽やかさは失われウォームな音色になります。使用状況に合わせた選択が求められるかもしれません。優等生的な出来なので強い個性を望む方には物足りないかもしれませんが、ヴォーカルものを好む方には非常に良いイヤホンだと感じました。

UE900を使い始めてから第五世代ipod nanoの性能に疑問を感じている状況で、SONYDAPに買い替えたい欲求が高まってきています。罪作りなやつです。