Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

スピーカーシステムのf特を測定しました。

スピーカーシステムの測定をするにあたって、まず問題になったのがマイクとインターフェースでした。マイクには特性があり、手持ちのベリンガーXM8500というヴォーカルマイクでは20Hzから20kHzをフラットに録れないことは知っていました。これをそのまま使ってしまうと波形がマイクの特性の形で仕上がってしまうのです。

XM8500の特性
http://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/19370/
画像はここから借用

なおかつマイクからの入力をPCで受ける為のオーディオインターフェースもない。これを解決するためにどうすればいいか、思案のしどころでした。考えた挙句に導き出された結論は、PCのステレオミニジャックに差し込めるマイクを作ってしまえばいいという簡潔なものでした。そこで20Hz〜16kHzまでをだいたいフラットに録れると評判の松下WM-61A無指向性バックエレクトレットコンデンサマイクロホンを通販で購入し、百均のカナル型イヤホンにマウントしてバイノーラル録音も可能なステレオマイクロホンを作ってしまいました。

松下WM-61Aの特性
http://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-02303/
画像はここから借用

作製したステレオマイク

黒い部分がコンデンサマイクです

当初、測定に使用するソフトはWaveGene(http://efu.jp.net/soft/wg/wg.html)とWaveSpectra(http://efu.jp.net/soft/ws/ws.html)を予定していましたが、WaveGeneで20Hz〜20kHzのサインスィープをCD-Rに焼いたところまでは良かったのですが、WaveSpectraで測定してf特のグラフを画像保存しようとしてもうまくいかず、暗礁に乗り上げたため、フリーソフトを探した末にVisual Analyserというイタリアのソフトを見つけだし測定にはこれを使用しました。

設定はFFT SIZEが4096、frequency samplingが44100Hzで16Bit、hanningとしました。この辺りは僕もよくわかっていない部分があり(特に窓関数)、WaveSpectraやVisual Analyserの使い方を調べていくうちにそうし方がよいとわかってきたのでこういった設定になりました。

まずリスニングポジションにおいてPD-D9mk2→L-507s→SX-700単体でのf特を測ってみました。下図がそうです。

650Hz付近に大きな谷(ディップ)があり、10kHzからなだらかに高域が落ちていっているのが分かります。尚、20Hz以下のグラフはノイズによるもので実際とは異なっていいます。

次にリスニングポジションにおいてSX-700にTakeTのBAT ONEを追加したグラフを載せてみます。

若干高域特性の暴れが少なくなり滑らかになっているのがわかります。

最後にスピーカーの位置変更をしたグラフを見てください。

よりf特が平坦になっているのがおわかりでしょうか。ピークやディップが抑えられているのが分かります。

こうして簡易的にではありますが、測定することで聴感だけに頼らず、聴感と合わせてセッティングを楽しめるのは良いことだと思います。カタログスペックによれば、SX-700は35Hz〜30kHzを再生するとあるのですが、それはいったいプラスマイナス何dBの話なんでしょうね。35Hzも出るには出ていますがかなり音圧が落ちています。密閉らしく下までだら下がりで伸びているのは納得です。それにしても高域が伸びていないですね。まああくまで簡易的な測定でリスニングポジションでの測定ですけれども、高域の伸びが足りないと感じている今日この頃では、やはり新たにスピーカーを導入するしかないかなとも思ってしまうわけです。逆にここの落ち込みがSX-700の聴き疲れのしない滑らかな高域を生んでいるとしたら設計の妙ありということになるのかもしれません。いずれにしても、10年近くこのスピーカーを愛用してきて新たなステップを踏み出すか否かじっくり考える必要があると感じています。