Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

密かにSACDを楽しむ〜PD-D9mk2の導入〜

いちオーディオマニアとして、自宅でSACDが聴けない環境だということはコンプレックスでもありました。オーディオ仲間がいるわけでもありませんし、一人でのんびり楽しんでいるわけなのですが、そこはやはり世間という名のライバルと伍してやっていきたいとの変な気負いだけはあるようで、SACDプレーヤーはお金の算段さえつけば欲しいと思っていました。そんなところに昨年のクリスマス前に格安で出ていたPIONEERのPD-D9mk2を発見し、購入したのでした。

ところが、やってきた黒くて重いプレーヤーはイジェクト不良でメーカーへ送り返されました。年末年始をSACDで過ごそうと決めていたのに当てが外れてがっくりですが、帰ってきたプレーヤーはきっちり整備され快調に動いているので良しとします。三週間ほど使用したので記事にします。

ラックの後ろがスパゲティで少し恥ずかしいです
初めに音を出したときはD-600sに音がそっくりで違いが分からなかったくらいです。音は柔らかめで、やや濃いめ、空間の広がりは普通で特に広くも狭くもない感じです。電源ケーブルは付属のもので、ラインケーブルはとりあえずCN-520Eを当てました。エージングがてらSACDハイブリッドを何枚かかけていくうちにわかってきたことですが、SACD層とCD層でそんなに違いのないソフトがあるのですね。初めにかけたのはノラ・ジョーンズの1stだったのですが、よくよく聴くとギターの響きのリアルさに違いがあるということが分かりました。最も顕著に差が出たのは、ユリア・フィッシャーのバッハ無伴奏ヴァイオリンでした。ヴァイオリンの鳴りや響きに違いがよく出て、空気感や息遣いなどより情報が多く感じました。僕の耳が高音域に敏いのかもしれません。それから我が家では、スピーカーからリスニングポイントまで2mほどとニアフィールドですので、音量も小さいです。そのあたりを加味して読んでいただくとありがたいです。

PD-D9mk2を購入したもう一つの動機が実はありました。それはPIONEERのプレーヤーに搭載されるレガートリンクです。CDは基本的には20kHzあたりでハイをカットされるようになっています。そのカットされる周波数の楽音を類推補完するというもので、DSPの一種だと思います。これを聴いてみたいと以前から考えていたのです。ハイパーソニック効果云々の話の是非は僕にはできませんし、わかりませんが、ロマンはあると思います。実際にレガートリンクをオンオフして聴いてみたところ、やはりオンにするとふわっとステージが広がるような印象で好みでした。SACD層とCD層で大きな音質の変化や差が余り無いのがこのプレーヤーの美点かもしれません。特にレガートリンクを入れた時のふわっと感はSACDに近いものがあります。

弱点も当然ながらあり、ヘッドホン出力がないこと。これは地味に痛いです。稀にヘッドホンを使用せざるを得ないときがあるので、そういう時はヘッドホンアンプを用意して繋げるか別のプレーヤーを使用しなければいけません。第二点に、DACとしての単独使用ができないこと。これはUSB入力がないとか、デジタル入力がないということと同じですね。今時単体DACにならないなんてストイック過ぎます。だから生産完了になったのでしょう。僕はPCオーディオについて必要な分しか投資しないので全く問題ありませんが。

さて、これからどうやって使っていこうかと悩みますが、PD-D9MK2を普段使いにして、気分で使い分け。HDCDはやはりD-600sという感じになりそうです。PD-D9mk2のポテンシャルに高いものを感じているので、アクセサリーなど奢ってよりよい音にしていきたいと思います。