Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

STEREO誌2013年1月号付録LXU-OT2を聴く〜初めてのUSB-DAC〜

STEREO誌の一月号恒例の付録が今回はLUXMANとのコラボレーションで、USB-DACとヘッドホンアンプの複合機でした。ネットには早々から情報が伝わり様々な噂や憶測が飛び交い、当初はこの付録への期待を高めるものでした。ところが、肝心のDACチップがPCM2704という16bit48kHZどまりのチップであることが発表されてからは、一転期待度が下がったようにも見受けられました。というのもPCM2704は様々なキットや、付録としてすでに搭載されたものが出回り、今更感が強かったのは否めないものでした。しかしながら定価2800円の雑誌(通常は1000円前後)の付録が24bit機であったなら、他のメーカーの機器が売れなくなってしまいます。それ故に今回のチップの選択は妥当なものであったと思います。僕としては、このありふれた感のあるチップでLUXMANがどこまでやるか、そこに注目していました。


そして1月号が発売されました。予約していた店の都合で2日ほど遅れて到着した1月号は付録が本体とでもいうべき厚みがありました。さっそく開封して足とカバーを組み立て音出し開始。PC用の環境ですが、OSはWindows 7にプレーヤーはfoobar2000のWASAPI排他モードで、ライン出力はTOPPINGのTP20-mk2+自作8㎝バスレフです。ヘッドホン、イヤホンはAKG K240s、オーディオテクニカCKM55、ゼンハイザーMX470です。

組み立て前

ケースに入れてみました。ケースは定番の百均コレクションケースEL10
工作はカッターナイフをガスコンロであぶって溶かしながら切る感じです

タイトルにある通り、今までオンボードサウンドでPCを使用していたので、REALTEKのHDと比較になります。最初にRCA出力で試聴開始。なんだかガサガサしている……。これはバーンインが必要だと感じた僕は2時間ほど放置、その上でもう一度試聴、おお、これはなかなかイケるんじゃないでしょうか。中低域に厚みを持たせたどっしり感のあるサウンドで高域が華やかなTP20-MK2との相性も良いようです。最初はガサガサだった中域から高域もだいぶ滑らかになりHD AUDIOより実在感が増しています。輪郭がくっきりしているのが特徴というか、割合太い線で描いているという感じがしました。劇的な向上とは言わないまでも、なかなか聴いて楽しいサウンドです。味気なかったPCのサウンドが楽しくなりました。

気をよくして次はヘッドホン出力を聴いてみようとCKM55を挿したらとてもがっかりしました。ピーという4から6kHz辺りの発振音らしきものが乗っています。ボリュームを上げると顕著で、ホワイトノイズも乗ってきます。MX470に変えると実用上は気にならなくなりましたが、ボリュームを上げればやはり発振音らしきものとホワイトノイズが乗ります。最後にK240sを挿して聴いてみると、実用レベルのボリュームでは全くノイズがせず、ボリュームを最大まで上げると発振音らしきものがやや気になる程度です。このヘッドホンアンプ部には高インピーダンスで低能率のものがあうようです。音はドライヴ感があり、パワフルで熱いジャズやロックを聴くのに向いているような気がします。大編成のオーケストラも分離感に目をつぶれば向いていると思います。高域はさっぱりとした音で穏やかな印象で、中低域に厚みがあるのはRCA出力と同じ傾向です。

STEREO誌の定価がだいたい1000円前後ということを考えると、2000円でこれは凄いことなのではないかと思います。特にRCA出力は、当方の環境では特に問題もなく使えていますのでコストパフォーマンスが高いと思います。オンボードよりもぐっとサウンドが楽しくなります。問題なのはヘッドホン出力の方です。これは高インピーダンス低能率のヘッドホンを使う分には問題ないと思います。しかし低インピーダンスかつ高能率のカナル型などは非常にきついものがあると思いますので、僕の使用イヤホン、ヘッドホンのインピーダンスと能率を書いておこうと思います。

CKM55 16Ω104dB
MX470 16Ω119dB
K240s 55Ω91dB

この付録はオーディオマニアにとっては年末年始の間存分に弄って遊べと、クリスマスにサンタさんがプレゼントしてくれたもののように感じます。電子工作に慣れた方はオペアンプ交換やコンデンサ交換などを楽しむことができると思います。またオンボードサウンドから脱却したい人にとっても格好のアイテムだと思います。さて、来年の付録は何でしょうね。