Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

オーディオマニアの憧れ?壁抜け・壁越えについて色々


1月の半ばから注文していたブツがようやく届いた。それを待っていたというわけではないのだが、どうしても自分で試し、結果がどうあれここに書きたいと思っていたCDがあった。Hodie Advent to Christmas Dayというタイトルでウースター大聖堂室内合唱団(Worcester Cathedral Chamber choir)が演奏しているクリスマス音楽。Ralph Vaughan WilliamsやBritten、Brahmsなどの曲が並んでいる。

このディスクは非常にオフマイクで録音しているだろうと思われる箇所があり、教会の響きとあいまって非常に美しい。それだけでなく、海外の著名なオーディオ評論家氏宅では30mの奥行きを見せたといういわく付きの代物。そんなに凄いディスクなら我が家でも試したいと思いついて三ヶ月。待たされて三ヶ月。まあしかし待った甲斐がありました。壁抜けという物がなんなのか大分掴めたので、収穫はあったと思います。

30mは話半分だとして15mクラスの奥行きと壁を越えて音場が成立する壁抜けはできるんじゃないかと踏んでいたのだが、結果は惨敗。通常聴くボリウム位置ではいつものようにいつものステージイメージだった。確かによく奥へ広がる音場だがこのディスク録音レベルが低く、ダイナミックレンジが広く取られているので、通常のボリウムより高く上げてみた。高く上げたところがだいたいのいつもの試聴音量だった。そこに現れたのはスピーカー間から奥へ3mほど広がるミニチュアの大聖堂だった。より正確に書くと中央は何もないように感じられ一点透視図法のようにクワイアが徐々に現れるといったイメージだ。これはトラック2とトラック13をかけたときに現れる。そのときの奥行き感は独特で思わず5mと言いたいところだが自重して3mとした。

普段から大音量で愉しんでいる方は気にも留めないかもしれないが、聴取音量とサウンドステージの創出には因果関係があり、大音量のほうが当然だがステージが広く感じられる。逆に小音量再生では、壁抜け・壁越えやスピーカーの外側へ張り出すサウンドステージというものは得られにくいことが改めて認識できた。また、壁抜け・壁越えといった現象は僕のようにのらりくらりと普通にやっているオーディオマニアでも、ディスクによっては体感できることも今回の試聴でよくわかった。壁抜けができない、音場が狭いとお嘆きのあなた、ディスクをまず選んではいかがですか?情報が記録されていないものにその再生はできないと僕は考えています。

レーベル  Regent *classic*
国内での入手先
HMV http://www.hmv.co.jp/product/detail/3917862