Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

Analysis Plus Black Oval 12(アナリシスプラス ブラックオーバル) レビュー

謹賀新年
今年もどうぞよろしくお願い致します。


昨年12月にAnalysis PlusのBlack Oval12を購入してずっとエージングをしていた。これまで使用していたスピーカーケーブルはKimber Kableの4TC。これと比較しながらBlack Oval12の印象を書いていこうと思う。そもそもの購入動機は五年ほど使用した4TCの表現とは違ったものが欲しくなったからというのがしっくりくる。4TCはモデルチェンジの際に価格が上昇してしまったが、元々コストパフォーマンスが高いケーブルだった。特徴としては奥に広く取るサウンドステージと怜悧且つ明晰な分析力とでも言おうか、各楽器の分離感に特筆すべきものがある。初めて聴いたときは、透き通るような見通しの良いサウンドステージに仰天したものだ。ケーブルでここまで変わるのか、との思いは今でも忘れられない。そのケーブルを替えようというのだから慎重且つ冷静な判断力がいるなと自戒した。

Analysis Plusは米国のケーブルメーカーで表皮効果と近接効果に着目し、中空楕円構造をとるのが特徴だ。日本に紹介された頃は特段気にも留めていなかったが、ネットで見たオシロスコープを使った波形の画像には驚かされた。ネット販売を主体に安く提供し始めたことから僕の射程圏内に入ってきたので、今回購入と相成った。Black Oval12は八段階で下から三番目のグレードで、比較的安価な部類に入る。12というのはAWGで12の太さという意味で断面積は3.5スケアになる。Analysis Plusは全グレードにホロウ・オーバル(中空楕円)構造を採用している。構造が大事であるというのならば、導体や絶縁材は何でもいいんだな?という理屈で選んだ。勿論、暴論であり懐の都合であることに相違ない。

(ちなみに箱の中に入っているケーブルはキンバーの4VS)

届いて早速音出ししたときの印象は、とにかく強弱の表現に長けたケーブルであるということだった。打楽器などのパルシヴなアタック音がとにかく速く立ち上がり、急激に減退する。この点でハイスピードと呼ばれる4TCの上を行くスピード感と感じた。また帯域バランスも良く、細く鋭利になりがちな4TCに比べ、全域でフラットバランスに感じる。サウンドステージはごく普通で奥行き感は4TCの方があったが、逆に引っ込みがちな面もありこれは好みの問題だと思われる。解像感・分解能といった項目では4TCに軍配が上がる。しかし、音のリアリティという観点からはBlack Oval12は秀でたものがあり、サウンドステージの自然さ、音の屈託のなさ、実在感などで目(むしろ耳?)を見張るものがあった。

総評としては、奥行きと分析力の4TC、バランスとリアリティのBlack Oval12という図式になるかと思う。どちらも素晴らしい魅力を持ったケーブルであることは間違いない。今回は帯域バランスの良さと音の屈託のなさを買って、SX-700にBlack Oval12を、スーパーツィーターに4TCを繋ぐことにした。
Analysis Plus
http://www.cfe.co.jp/analysis-plus/index.html
Kimber Kable
http://denon.jp/jp/product/pages/ProductLanding.aspx?CatId=17ac18c2-3740-4d1e-87c8-c2ef36c7c75c&SubId=5645e4a6-561d-4887-8d35-76ab4d6ee9f4


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