Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

Stereo編 誰でもできる自作でオーディオアクセサリー 付録電源ケーブルキットを製作した

発表当初からいろいろな形で噂になっていたので入手。電源ケーブルが欲しいということよりも、格安でオヤイデ製の電源プラグやインレットプラグが素材として手に入るのが有り難いと思って購入した。実はケーブルだけ製作して記事の方はまだ読んでいないが、どうも過去記事から編集したもののようだ。Stereo誌の読者なら目新しくはないだろうが、纏まっていると読みやすくはあるかもしれない。ちなみに冊子は80ページ程度である。

さて、キットの内容だが、電源プラグ/インレットプラグにオヤイデOY-ON1、電源ケーブルにゾノトーンOPC-2.5の3つだ。プラグはオヤイデ029系の無メッキプラグと思われる。ゾノトーンOPC-2.5はその名の通り2.5スケアの導体を持つ。作業性はよく、いたって簡単に製作は可能だ。OPC-2.5がやや細めの作りで柔らかく取り回しが良いことが一因に挙げられる。ブルーのPVCシースはとても美しい。長さは短めの1.2m。

製作中の図。部品点数はきわめて少ない


ダミー線の代わりに綿糸が封入されている。また、シールドはアルミ箔。


完成図


プラグのアップ。ブレードが映らなかったのは失敗だった。

完成品を二日ばかりバーンインして、さっそく試聴。ブラックマンバの自作ケーブルや、ラックスのJPA-10000と比較しながら進めた。このケーブル、上から下までの帯域バランスがややピラミッド型。全体的には細身になる。細身のピラミッド型と考えていただければわかりやすいだろう。ヴォーカルの位置は少し奥へ定位し、クラシック愛好家でも特にオケものを聴かれる方に好かれそうな音の出方をする。雄大な音ではない。ゾノトーンのケーブルだからガツンとくるかと思いきや、その点ではマンバの方がよっぽど前に張り出して、音像型ともいえる形を作った。PCOCC-Aと高純度銅線の違いが表れたのかもしれない。しかしながら、音場型かと言われるとそれにも?マークがつく。響きの広がりが少ないのだ。非常にあっさりした仕上がりの音。シンバルなどはやや控えめだ。縦横方向にはそれほど広がらない。真鍮無メッキはよく響く印象があったのだが、今回はそれも覆されてちょっと戸惑っている。ケーブルの支配力が強いのだろうか。これは一度、他のケーブルをあてがってみて、プラグの癖を調べないといけないかもしれない。

少々辛い調子で書いたかもしれないが、4200円のキットでここまでのレベル、特に帯域バランスや奥行き感などには一定の評価が与えられると思う。3Pの付属ケーブルが貧弱だと感じている方やビギナーには選択肢の一つとして挙げられる。少ない投資で一定の成果があげられるコストパフォーマンスの高いケーブルであることは間違いない。このキットで自作の楽しみを知るのもよし、電源ケーブル交換の効果を知るもよしと一石二鳥の付録となっている。