Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

帰ってきたPM-88aSE

今年90歳になる母方の祖母が長生きの秘訣をタクシーの運転手に聞かれて、自分達のとこで作った豆を味噌にして毎日食べてるのが良いと言ったそうだ。なぜタクシーを使っているかといえば実は病院に通うためだったりする。健康管理に関してはマメである。

マランツのサービスセンターに直接送ってから一週間たっても連絡がなく、やきもきを通り越して苛々していたところに電話で見積もりの連絡があった。ボリュームの差異はギャングエラーということで、小音量で聴く際にはバランスコントロールを使用してくださいとのことだった。ある程度の補正は可能なのでしますという。ここですっかり肩透かしを食った僕は、その他の症状についての確認にも半ば流すように聞いていた。ギャングエラー。そんなものまったく考えていなかった。いやしかし、マニアたるもの真っ先に疑わなければならない症状ではあった。PM-88aSEが採用している四連アクティヴボリュウムを盲信しすぎていたのだ。実使用時のSN比がよくなっても、アナログボリュウムである限りギャングエラーは起こりうるものなのだ。僕は自己の不明を恥じつつ到着を待った。

見積もりを取ってから到着するまであっという間だった。全部で2週間もかかっておらず、結果的には素早い対応だった。送ったときの倍もある梱包材に包まれてPM-88aSEは帰ってきた。しかし晴れない気分のまま、アンプをラックに設置するのは精神的にも肉体的にも骨の折れる作業だった。何とか設置を終えて音出しをしてすぐに驚かされた。サウンドステージの広がりが以前よりも良くなっている。修理明細を見る限り、部品交換は行っていないのにもかかわらずだ。作業内容に総合調整とあるので、修理依頼箇所以外にも手を入れてくれているようだ。その他の不具合もきっちり直ってきている。曇り空から一転して晴れ間が出たような爽やかな気持ちになった。

マスターボリュウムのギャングエラー調整のおかげでバランス補正も最小限で済むようになった。それにつられてスピーカーの配置を変更するなど、セッティングに試行錯誤している。こういう時間は本当に楽しい。現状の機器のままもう一段上が狙えるんじゃないだろうかという気分になってくる。そんな欲が出てきた。

とりあえずのチェックを終えて、天板に手を当てて二度目の驚きがあった。このアンプはA級動作とAB級動作を切り替えることができるのだが、以前はAB級動作をさせていても長く触れたくないくらい熱くなったが、今はほんのり暖かい熱燗程度の温度に留まっている。熱は素子にダメージを与えるので発熱は重要な要素だが、まだまだ長く使えそうだ。

PM-88aSEのような15年選手は当然のこととして、やはりちょっとでも異変を感じたらメーカーメンテナンスに出すのが良い音と暮らすための秘訣のようだ。アンプにだって長生きして欲しいのだ。