Bedroom Audio Style

寝室で、気負わずに良い音と気持ちの良い住環境を求めていくトコロです。

初心インシュレーターの記憶

インシュレーターはとても怖い存在だと考えている。音質、音色がとても変化するからだ。一度システムに組み込んで慣れてしまえばそのインシュレーターの癖を忘れてしまう。他のもので補おうとするとさらに深みにはまる。そこから脱するには好ましい変化と好ましくない変化がなぜ起こるのか、推測して記憶しておくことだ。

オーディオを始めたばかりのころ(今でもペーペーではあるが)インシュレーターの重要性など微塵も知らず、世にインシュレーターなるものがあるらしいから木を切り出して作って満足していた。幸か不幸かガタだけは出なかった。その後せめてちゃんとしたものをと思い、ハンズでブナ半球を購入してスピーカーの脚に敷いた。それが信じられないほど好みでない方向の音で、当時の僕は愕然としたのだった。インシュレーターで音が悪くなるなんて!

ブナ半球の何が悪かったのか?形状はいい。特徴をあげてみると、軽く柔らかく密度が低い。ではまったく逆の特徴を持った木ならどうだろうと考え、再びハンズで紫檀(ローズウッド)を買って敷いてみた。結果は大成功だった。硬く引き締まった響きがとても心地よかったのを覚えている。調子に乗って真鍮や鉛にまで手を出して、また好みと外れてしまったことも良い思い出だ。

とても安い出費で色々学べたことは、メーカー製のインシュレーターを使う今になって、とても生きていると思う。“まず手近なもので試してみる”の精神は、僕にとって転ばぬ先の杖のようなものだ。